Denobook2を英訳して、渡米して、本を届けた話

はじめに

この記事はDeno Advent Calendar 2019 - Qiita 19日目の記事です。

アドカレと一緒にTSConfに行ってきた話もやってしまおうという悪魔的発想です。

TL; DR

  • 技術書典で出したDenobook2を英訳したよ
  • TSConf 2019に行ったよ
  • Denoの作者のRyanさんに手渡ししたよ

Why did I translate Denobook2 to English?

すべての元凶です。ご査収ください。

これがあってから、その日のうちにdeno-jaの技術書典2019秋向けチャンネルで英訳について相談してました。

最初は割とチキっていたのですが、Bartekさん(DenoNewsの中の人)からDMが来て、「Denobookめっちゃ興味あるけど、日本語分からんから訳して欲しい! 手伝えることあったら遠慮せず何でも言ってくれ!」みたいなテンションだったのでそれに応えることにしたのです。

その後、執筆者全員から許可が取れて、kt3kさんが自身の章を、残りを私が英訳して元の執筆者に校正してもらう感じで進めることになりました。

ということで「10月11日にTSConfがあるから、そこでDenoについて話をするRyanさんに英訳して刷った本を手渡しできたらいいけど、最悪郵送でもいい。あとBartekさんには郵送したい。」ぐらいの温度感で始めたのです。

この英訳に対するモチベは主に3つです。

  1. ライブラリ作者や開発者に対してモチベを提供したい、あるいはOSSコミュニティに恩返ししたかった
  2. 技術書典本を英訳するという実績を解除したかった
  3. TSConfへ参加する機会を最大限に利用したかった

1については、自分が作り始めたライブラリなりフレームワークなりにファンがついて、それについての記事が出たとなったらすごく嬉しいですよね?

ましてや本です。しかもイラストが描いてある表紙付きです。それを直接、めっちゃ遠いところから渡しに来てくれたらすごく嬉しくなると思いませんか?

実際にDenobook1はRyanさんから連絡が来て、お願いされて、日本語の本をそのままアメリカに郵送したそうです。

もちろん、記事でも本でも自分が読める言語でなくとも、フィードバックがあったというだけで事実だけで嬉しいとは思います。ただ、もらえるなら読める言語でもらった方が嬉しいですよね。

母国語でない言語がびっしり書かれているときの抵抗感は結構なものがあると思います。

なので、せめてGoogle翻訳でもいいから英単語が並んでいる状態にはして、少なくとも英語になっている状態にしたかったのです。

きっとこういうものの積み重ねが、OSSメンテナやライブラリ作者のモチベにつながると思っています。

2については、やっていきです。

おそらく、技術書典の7回の歴史を見ても、販売した本を英訳したサークルはいまのところ初なのではないかと思います。(あったら、教えてほしいです)

技術者典、本当に大量の本が流通するすごい場なので、その中に1つぐらいは世界に向けて発信する本があっても良いと思います。

あと、技術書典というクレイジーな催しを世界に向けて発信したい気持ちもありました。

3については、完全に貧乏性です。

海外に行くのは基本的に渡航費が固定費なので、いろんな目的を詰め込むほどコスパが良くなるのです! もちろん色々な目的を詰め込みすぎて、滞在日数を伸ばすとそれに比例して滞在費がかかるので本末転倒です。

また、私は一緒にTSConfに行ったれこさんほどの強烈な目的意識がありませんでした。TSConf JPのために縁を作るという目的もありましたが、その目的に2人も必要かと言われると若干苦しかったのです。

そんなこんなでDenobook2を英訳して、手渡すというのが私のTSConfにおける目標になりました。

How and how long did I translate?

期間はSlackを確認してみると、9/12から始めて9/30に入稿しているので、約3週間弱かかったようです。(入稿のあとにミスを印刷会社の方に指摘されて再入稿したりでゴタゴタしてしまったので、本にするのにはもう少しかかっています)

日本語版のページ数が156pで、そのうち、66pを占める第1章をkt3kさんが、残り90pを私が英訳しました。

私が翻訳した部分は、Google翻訳をフル活用しました。最近のGoogle翻訳は、それなりに長めな文や技術用語が入っていても、問題なく訳してくれるのでありがたいです。

とはいえ、あまりに長い文を入れると修飾関係がおかしくなったりしてとんでもない文が出来上がったりします。

そのため、2,3文単位で区切って英訳して、明らかに不自然な部分を直したり、あまりに日本語的な語順を整えて、出来上がった英訳を和訳して意味が通るかを確認しての繰り返しです。

この時期は家に帰っては、Google翻訳とTerminalを開いていた記憶しかありません。おかげで、翻訳するときの知見が貯まりました。

Google翻訳、学習が進みすぎて、英訳時に逐語訳して、明らかに英語としてはおかしいものの、Google翻訳で和訳すると原文に戻るので、問題なさそうに見える英文を生成するようになっており、これが過学習かってなりました。(違うかもしれない)

また、校正の際にGoogle Docsを使いましたがtypoがエラーで赤くなるのでおすすめです。校正コメントでめっちゃkeroxpさんから冠詞の使い方について突っ込まれた記憶が残っています。keroxpさんの精緻な校正によって、第3章のdeno de bundlerの英訳はかなりクオリティが高かったと思われます。

そして、無事英訳を完遂して、入稿されて印刷されたものとEbookがこちらになります。

How to deliver?

英訳を熱望してくれたBartekさんには郵送しました。届いたときの喜びのツイートがこちら。

さらに、DenoNewsにも載っけてくれたり、Deno Warsawというミートアップで紹介もしてくれました。

TSConfで登壇していたRyanさんとKitsonさんには登壇直前の休憩時間に渡すことができました。

RyanさんはEbookの方を既に買ってしまったけど、実物の方が読みやすいから嬉しいと言って快く受け取ってもらえました。

Denoのv1はどう?と聞いたら、技術的な課題が多くて難しいけど、12月ぐらいには出したいと思ってるみたいな話をした記憶があります。

思いっきり、Deno(デノ)って発音して話しかけていたんですが、TSConfの発表でめっちゃDeno(ディーノ)って明言されていてやっちまった感がありました。

あと、TSConf JPもやるからぜひ来てね!ってお誘いしておきました。

ちなみにRyanさんがDenobook2を持ってる写真を撮りたかったんですが、写真はNGということで泣く泣く断念しました。

Kitsonさんは、JSConf JPで日本行くから楽しみにしてるって言われたのと、Stickerを持ってたら交換しようと言われていつものDenoステッカーを交換しました。

Kitsonさんの喜びのツイートです。

How did I think?

雑感です

  • 英訳することで、技術書典の原稿を深く読み込めて楽しい
  • 手渡しに行くと感謝されるので楽しい
  • 技術書を英訳したい人がいたら、知見共有するのでぜひお声掛けください
  • 広がるDenoの輪

At the last

さらに詳しいTSConfの話は、実際に会ったときに聞いてください!

明日のDeno Advent Calendarはkeroxpさんの「Node.jsでDenoを動かす」です!

https://qiita.com/advent-calendar/2019/deno