技術書典7でDeno本2を共著で出すよ

TL; DR

  • 技術書典7でDeno本2を共著で出すよ
  • お品書きはこちら
  • プログラミング初心者から、Denoチョットデキル人までおすすめの本だよ

はじめに

Deno本2の一部(TokioとDenoの章)を書きました。

お品書きはこちら

scrapbox.io

既に先人が「ニッチな領域で宣伝を怠ると売れ行きが芳しくない」という教訓を残してくれているので、その二の舞いにならないためにも宣伝とポエムを書き書きしていきます。

blog.nkzn.info

なんで、私が共著者に?

Deno本1を買ったことが直接のきっかけです。

techbookfest.org

元々、Denoを知ったきっかけはNode.js日本ユーザーグループの古川さんの以下の記事です。

yosuke-furukawa.hatenablog.com

当時は、私自身、Node.jsに対する理解も浅く(今でも浅いと思う)、TypeScriptも仕事で書いていなかったこともあり便利そうだけど別に素のJSでいいかぐらいの温度感でした。

また、Deno自体もリポジトリは公開されていたものの、記事にあるようにOSXでbuildすらままならないという状況であり、食指が動く感じではありませんでした。

ただフロントエンドを書く上で避けては通れないほどに支配的なNode.jsの設計ミスをNode.jsを作り出した作者のRyan氏自身が語るというのが面白いなと思い記憶に残っていました。

それからしばらく忘れていたのですが、Rustやりたいなと思っていたりしていたときに技術書典6があって、Deno本が頒布されていることを知り、完全に興味本位で買ったのです。

そして、Deno本を面白い面白いと読んで、手元に実行環境を用意して、Denoで遊んでいました。そのあとA Guide to Deno Coreを読んでちょっとだけContributeしたり、Denoもくもく会でもくもくした結果、本が書きたくなって書いた感じです。

denolib.gitbook.io

技術同人誌は楽しいか?

楽しいZO

真面目な話、初めての技術同人誌が共著で良かったと思います。

既にDeno本を出していたkeroxpさん、syumaiさん、hashrockさんが著者として関わってくれていてくれたので、サークル応募から入稿まで3人に頼り切りでした。

Denoもくもく会で書くことが決まり、そこで書いてみるかと手を上げて、気がついたら入稿までの道筋が立っていて、紙質の選定とか裁ち落としとかありとあらゆることが決まってました。

執筆環境もkt3kさんによりRe:View docker環境がrepositoryに用意されており、cloneしてきてmakeコマンドでpdfをポンできる状況でした。

私の場合は、ほぼmarkdownで書いて、md2reviewで変換して、装飾を良い感じにRe:View記法で整えました。

github.com

きっとすべてを1人でやってたら右往左往していたに違いありません。

あまりにもすべてが整いすぎていたので、さすがに何か貢献しないとまずいと思い、昔取った杵柄でGitLab CIでpdfをartifactとして出力するようにするかと思ったら10分くらいで出来てしまってビビりました。

それと著者になると副作用としてこの世に誕生した同人誌を一番最初に読むことができる権利が得られます。(校正という名の義務でもあるので、やはり権利と義務は表裏一体)

個人的にはこれが一番嬉しく、楽しかったです。みなさんの原稿が面白すぎて、校正と称して入稿前にしなくてもいい夜ふかしをしてしまいました。

ということで、技術同人誌初めての人は共著という手も良いと思います。

技術同人誌は楽しいので、オススメです。

宣伝

ということで、宣伝でした。

当日はローテで店番をする予定なので、お86Cでお待ちしてます!

techbookfest.org

ちなみに、技術書典6では紙本が売り切れてしまった幻のDenobook01も再頒布されるらしいですよ。やったね!

scrapbox.io

紙本だけしかないとずっと思っていたんですが、実はBOOTHで売ってたらしい(Slackで指摘されて気づいた)ので、待ちきれない人はどうぞ

booth.pm

物理本と技術書と技術書典と本を書く労力について

ここからは、宣伝とはほとんど関係のないエモ散らかした文書です。

私は、技術書典運営が出している技術季報が好きで、必ず買います。

技術季報を買いに技術書典に足を運んでいる面すらあります。

他のサークルの本は電子本が技術書典後に購入できたりしますが、技術季報は現地に足を運ばないと買えないのです!

技術季報、本当に面白いんで、運営チーム絶対に書き続けて欲しいし、みんな買ったほうがいいぞ。

それはそれとして、手元にある技術季報 vol.6の技術書典レポートによると技術書典5では約10万冊が持ち込まれて、約7.5万冊が流通されたらしいです。

参考までに幻冬舎の単行本形態の初版は4,000 ~ 10,000部だそうです。 www.gentosha-mc.com

つまり、本が20冊弱生まれたのと同じぐらいの流通量が1日で発生しているのです。

ちなみに、本の場合、全国の本屋に在庫として積まれる分があるため、実売はもっと薄くなる気がします。

これは本当にすごいことですよ(語彙力が足りなくてすごさが表現できていない)

そして、さらにすごいのが、技術同人誌を書くベストプラクティスが巷にごろごろ転がっていることです。

Re:Viewはdocker化されているし、書き方から入稿までのスケジュール、マーケティングの仕方までありとあらゆる知見がそこらじゅうに記事になっています。

技術書典が積み上げてきた6回は、一般参加者の視点だといまいち規模が大きくなっていく方にしか意識が行きませんでしたが、サークル参加者になって初めてその偉大さに気づきました。

Re:Viewのrepositoryとか本当にすごくて、ドキュメントも英語で用意してあるOSSなのにissueはほとんど日本語というのにびっくりしました。

Re:View、ドキュメントも豊富だし、ナレッジベースはあるしで完全にいたれりつくせりなのでオススメです。

github.com

review-knowledge-ja.readthedocs.io

そして、書く側に立って気づく書くことの大変さ。

私の今回の原稿はソースコードを含め、markdownで500行ぐらいだったんですが、それでもかなりの時間を費やしました。

純粋に書く時間もそうですが、調べたり遊んだりする時間が相当量かかります。

1人で200pとか300pとか書いている先達たちは本当に尊敬します。

ましてや、技術同人誌から商業誌として出している方にいたってはどれだけの労力をかけられたことか。。。

そして、そんなエッジで楽しい技術同人誌たちがたったの500円や1000円や2000円ぽっちで変えてしまう技術書典がいかに恐ろしくも楽しい祭りであるかを再認識しました。

最後に、ウェブが研究機構から発明されて、人口に膾炙し、いまやインフラになりつつある世の中です。

そんな中で、文字ベースの文書というのはまさに最初からウェブが主戦場としてきた場所です。

技術書典に対して、エンジニアなのにどうしてウェブベースのドキュメントじゃなくて、あえて紙でオフラインでやってるのか?という意見が根強い気がします。

ただ、ウェブベースのドキュメントたち(最近は映像や音もある)の最先端で戯れているエンジニアたちが一周回って、オフライン&紙の技術書典という場に集まるのはすごく面白いと思います。

歴史的に見れば「知」ひいては、特権階級の象徴であった本がいまや誰でもdockerポンで書けるようになったということの変化を考えるだけで楽しくなってきてしまいます。

そのあたりのことを書き出すと終わらなくなるので、このへんで筆を置く代わりにキーボードから手を離しましょう。

ではでは、技術書典7でお待ちしてます!