「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド」を読んだ

TL;DR

  • マネジメントもスキル
  • マネジメントはいいぞ
  • Roleでしかないので、マネジメントとプレイヤーを行ったり来たりしても面白い

はじめに

面白いとオススメされたので読んだ

www.oreilly.co.jp

実際、面白かったので紹介

オライリー本っぽくない見た目だったので、オライリー本ということにしばらく気づいていなかった

感想

p9: 自分が何を望んでいるのかをじっくり考える

自分自身が何を望んでいるのか、何を学びたいのか、何が自分を幸せにするのかを考え抜いて明らかにする責任はひとえにあなた自身が負っているのです。

ほんこれ

これはキャリアだけではなく、人生もそうなので、頑張って言語化していき

この著者もこういうのに悩んできたのであろうということが分かって良かった

p121: ブリリアントジャーク

というのも、管理者は、たとえこういう連中のクビを切ってのける根性がなくても、昇進を認めてやるほどバカではないからです。そうでしょう?まあ、そうだと期待することにしましょう。

原文(おそらく英語)が読みたくなる小気味の良い訳文

オライリーのカテゴリがBusiness/Essayであることからも、訳文もエッセイ風味になっており、非常に読みやすかった

良い翻訳者の仕事という感じがする

p134: 複数チームの管理

私は常々「人を管理する道へと舵を切る前に、まずは十分時間をかけてプログラミングを完全にマスターしましょう」と声を大にして説いています。

ここは個人的には違う可能性もあるのでは?と思ったり思わなかったりしている

人を管理する力もスキルだと考えているので、それで禄を食む覚悟を決めたら早くからスキルを学んで実践した方が良いでしょうという気もしている

そのうえで人を管理する力にチームが大規模になればなるほど、管掌領域を説明できなきゃいけないと言われたらそれはそう

畢竟、どこを目指すのかによるのかもしれない

プログラミングを完全にマスターしましょうはその通りでt-wadaメソッドに則って1年に1つ新しいことに手を出そう

speakerdeck.com

p152: コードリリースの頻度

チーム状況を知るのに有効な尺度が「製品アップデートのリリース頻度」です。

デプロイ頻度は正義は本当にそう

これを上げるのは、非常に難しいがやりがいのある仕事になると最近は痛感している

p236: 8.8 反響

「チームの面々と終業後も親しく付き合う」というのはあなたにとってもはや過去の事となったのです。

こんなにも辛い現実があるだろうかと思ってしまうが、実際そうだと思う

マネジメントされる側からすると経営幹部は羨ましく見えたり、面倒くさく見えたりするが、経営幹部は経営幹部の大変さと向き合っている

上司も人間なのです

p251: 文化の構築

構造とは、我々がいかに規模を拡大し、いかに多角化を図り、複雑な長期の仕事をいかに進めるか、といった仕組みや筋書きにほかなりません。対象がソフトウェアであろうとチームであろうとプロセスであろうと同じです。

至言

至言なだけに実践は難しく、やりがいがある

p272: 作業プロセス

「構造」という視点から見て、適不適の影響が如実に現れるのが作業プロセスです。

ほんこれ

チームの成長・会社の状況に合わせて変化させないといけないのも難しい

最後に

著者の体験が随所に散りばめられていて、キャリア本として面白いのはもちろん、エッセイ本としても面白かった

おしまい

ゼロからのOS自作入門を563日で完走した感想

TL; DR

  • ゼロからのOS自作入門をやって、君も自分だけのOSを作ろう!
  • ちょっとずつ作っていく過程で、歴史の追体験と機能ができたときの感動を体験しよう!
  • 最高なので、今すぐ購入しよう!(ダイレクトマーケティング)

はじめに

「ゼロからのOSを自作入門」、通称mikan本をやっとこ完走したので、その感想

本当に最高だったので、その感動を共有したくて、ブログを書いている

成果物

repoはこちら

GitHub - sasurau4/mikan-os · GitHub

上記のrepoは llvm-18, WSL2, Ubuntu24.04 で動作確認して、tagも本家に倣って打ったので参考にしたい方がいればどうぞ

Ubuntu18.04環境を用意するのが大変だったのと、llvmも新しいversionで始めてどうしようもなくなったら下げるかという考えで進めた

本家はbuild scriptが別repoになっているが、repo分けると大変そうだったので一緒にした

Xでちまちまスクショ付きでツイートしてたので、そちらも見たい人は以下からどうぞ

(#ゼロからのOS自作入門) (from:sasurau4)

本家リンク

本家はこちら

GitHub - uchan-nos/mikanos: Educational Operating System · GitHub GitHub - uchan-nos/mikanos-build: Build and run scripts for MikanOS · GitHub GitHub - uchan-nos/os-from-zero: 『ゼロからのOS自作入門』(内田公太著、マイナビ出版)のサポートサイトです · GitHub

詰まっても、だいたいos-from-zeroのissueで既出だったので本当に助かった

公式コミュニティでも質問すれば誰かしらが答えてくれるので、最高に手厚い

始めたきっかけ

mikan本が発売された2021年・2022年ぐらいからずっとやりたいと思っていた

B+Treeの学習実装が終わったら、やろうと思っており、mini-sqliteが終わったのが 2024年10月だったので、そこから開始した

GitHub - sasurau4/mini-sqlite · GitHub

mikan本は1章1日で進める想定で組まれており、1か月では終わらないにしろ半年もあれば終わるかなと当初は思っていた気がする

進捗

git logから引っ張り出してきた

Fri Oct 11 17:05:10 2024 +0900

Mon Apr 27 21:05:29 2026 +0900

563日かかったらしい、精神と時の部屋にいたに違いない

pulseを見ると、明らかにやれてない時期があるのが分かって、面白い

2025年8月ぐらいからちょっと気合を入れて復活し、2025年11月からは年末年始に停滞したりを挟みつつ、コンスタントに進めていたらしい

ちょうど2025年8月頃にメインマシンがUbuntuからWSL2に変わって、半年ぶりで環境構築の記憶がほとんど飛んでいて苦労した

t-wadaさんのWrite code every dayを思い出して、2025年2月頃からは毎日10分でも良いから進めていた

ソフトウェア エンジニアとしての 姿勢と心構え - Speaker Deck

mikan本は非常に構成も分かりやすく、1日使えるなら30日で終わるはず

1日使えなくとも、1日1時間で良いからやれるなら3か月ぐらいでできる気がする

563日かかった人間が言うんだから間違いない(説得力0)

最初のうちは、本が分厚く30章があまりに長くて終わるんだろうか?と思っていた

半分を過ぎたあたりで、半分まで来たなーと思って、最後の3章はどんどん終わりが近づいていると感慨深くなったのが思い出深い

ちなみに、物理本でやってた

詰まったところ

GitHubのissueやQiita/Zennなど他の資料に大変助けられたのでそれらとともに振り返り

day03a

day03a以降、カーネルの起動まで進まない · Issue #134 · uchan-nos/os-from-zero · GitHub

llvm version compatシリーズ

詳細はissue参照で、自分は動いたほうが面白いので、ELF loaderを先に実装して解決した

Comparing day03a...day03b · sasurau4/mikan-os · GitHub

issueを読むとデバッグ方法も分かるので、最高

day03c

第3章_3.5カーネルからピクセルを描く(osbook_day03c)が書籍通りの実行結果とならない · Issue #168 · uchan-nos/os-from-zero · GitHub

これもllvm version compatシリーズ

Mac で始める「ゼロからのOS自作入門」 #OS自作入門 - Qiita

混乱していたのか、tagが抜けているw

Comparing day03d...day04b · sasurau4/mikan-os · GitHub

sysv_abiとseparate-codeで修正したらしい

typo, 見落とし

Makefileでoptionつけ間違えたり、asmでtypoしてたりで、地味にデバッグが大変で全然気づけなかった記憶がある

day18c

Comparing day18b...day18c · sasurau4/mikan-os · GitHub

llvm version compatシリーズ

これはgeminiに聞きまくってようやっと解決できたので、本当に感謝している

対話的Google検索

やたらデバッグに苦労している

day19a

Comparing day18d...day19a · sasurau4/mikan-os · GitHub

day18cが苦労したので、こっちも苦労した

day20b

Comparing day20a...day20b · sasurau4/mikan-os · GitHub

C++の秘孔を突いてしまった

[osbook_day20b] while(1);による無限ループについて · Issue #181 · uchan-nos/os-from-zero · GitHub

issueとqiitaの記事に助けられた

day20dでException handlerが入ってからはそこまで苦労するところはなかった

やはり、ちゃんと例外処理はしようという先人達が積み上げてきたものを再確認できる良い機会だった

テンション上がりポイント

mikan color

色がつくとすぐにテンションが上がってしまう、GUIは偉大

マルチタスク

マルチタスクは丸々2章を使って説明されており、めちゃくちゃ良い

1度では理解できていないところも多々あるが、競合が以下に大きな問題かがよく分かるようになった

マルチタスクができるようになってから加速度的にOSっぽくなっていく

Brick breaker

JavaScriptでブロック崩し作ってた記憶が蘇った

Terminal実装

GUIもめちゃ良いけど、自分が仕事道具として使っているls, echo, sort, cat, stdinなどを実装する体験はとても良かった

当たり前に使っているコマンドたちが当たり前でないことを確認できる

Debugging

-enable kvm はやめて-accel tcgを使わないと、qemuのdebug logでCPUリセットしか記録されないので気をつけましょう

私はこれに気づいたのがday20とかだったので、悲しみ

出ないと嘆いている様子

歴史の追体験

mikanosを作ると、だいたい1960年台から現代までを追体験できる(たぶん)

すべては繋がっていると体験できて非常に楽しい

最後に

著者のuchan_nos氏および出版に関わった方々には最大限の感謝をしたい

どんなソフトウェアも最初は意外と小さく作られていて、ユースケースに応じて複雑になっていく

それを複雑になった状態から解きほぐして、0から順序立ててモダンなOSを作れるようにするのはとんでもない時間がかかっている

また、GitHubにあるソースコード、サポートサイト、コミュニティなどなど躓いても助けてくれる様々なものも用意されている

そんな本がたったの3,300円ちょっとで買えてしまうのだから、興味があったらどんどん買おう!

次はCPU自作だ!!!

アークナイツ × BanG Dream! Ave Mujicaはいいぞ!

さっき、シナリオを読み終わったので余りに良かったので勢いで書いている

www.arknights.jp

半年前から分かっていたので、事前にMyGO!!!!!とAve Mujicaを予習しておいたけど、本当に良かった

さすが、hypergryph

アレンジの曲も良ければシナリオも良い

これがアークナイツに求めるシナリオ

みんなもMyGO!!!!!とAve Mujicaを履修して、アークナイツをやろう!!!

読了: 気遣いを恋と勘違いする男、優しさを愛と勘違いする女 相手の本性を見抜き、最高のベストパートナーを見つける男と女の心理ルール

読んだ本

今回は以下を読んだ

www.kadokawa.co.jp

感想

前回読んだ本から打って変わってひたすらにハウツー本

ハウツーだけでなくなぜそうなのかを筆者が実際に見てきたホステスでの顧客や結婚相談所の顧客で当てはまる実例をあげながら解説してくれている

筆者の文体が良いのと端的にまとめてあり、さくさく読めて納得とアハ体験と面白さが押し寄せてくる

世の中の男女はこれができているというのがすごいという気持ちになれる

結婚に限らず男女関係で悩んでいる方におすすめの1冊

読了: 選択の科学

読んだ本

今回は以下を読んだ

books.bunshun.jp

感想

ずっと前に「ジャムの種類が多ければ多いほど売れそうに直感的には思うが、多すぎると選択肢が絞られてるほうがよく売れるという実験を紹介した本」として知っており、読みたいと思っていた

全体感としてはマイケル・サンデルの「実力も運のうち 能力主義は正義か?」に通じるところがある

www.hayakawa-online.co.jp

書かれた順番は、「選択の科学」の方が先のため、「選択の科学」から「能力主義は正義か」に通じていそう

「選択」という概念を自覚してしまった現代人にとっては、その複雑さと難しさと良さを見つめ直すことのできる良書

この本では最も幸せな選択をするためにはどうすべきかなどはほぼ論じておらず、とにかく選択に関する実験とそれに関する考察が筆者の経験を元に展開される

個人的には「甘い緑茶作戦」の話が一番お気に入り

原題は「The Art of Choosing」で邦題は「選択の科学」だが、訳者が最終講の最終部分でおそらく「art」が含まれるであろう文を「選択は本質的に美術である...」と訳出しており、タイトルであえて「美術」として訳出しなかった理由は少し気になる

確認しないと分からないが、原文では最後の部分が「art」ではなかったのかもしれない

シーナ・アイエンガー著で新刊が2023年に出ているので、それもどこかで読みたい

corp.newspicks.com

読了: ロマネスク美術革命

やっと図書館利用カードを復活させたので、読書記録を残しておく

読んだ本

今回は以下を読んだ

www.shinchosha.co.jp

感想

この本を十全に楽しむには古代ギリシャからローマ、近代を経てルネサンスが始まるヨーロッパ史とヨーロッパ地理、宗教史、美術史など数多くの前提知識が必要になる しかし、それらを少ししかかじっていないとしても著者が伝えようとするロマネスク美術洋式の躍動と多様性は本書にて紹介される数多くの例から感じ取れる

個人的には後半の世俗化と大量生産の章が活版印刷より前に大量生産の胎動は始まっていたと考察する章で一番面白かった

結びとして、ヨーロッパで教会巡りしたくなる良い本だった